第59章

それは、間違いなく悪い知らせだった。

自分がこれからもずっと、誰かの監視の下で生きなければならない。しかも相手が何者かもわからない――そう思うだけで、水原茜の胸には失望が広がる。

けれど、こうなることは最初からある程度覚悟していた。だからその失望も、風が吹き抜けるみたいに、すぐ薄れていく。

【大丈夫。調べ切れないなら、それでいい】

茜は紙にそう書き、浜原恵也の前へ滑らせた。

恵也は手のひらを返す。掌には一本の万年筆。金属の光沢が鈍く走り、見た目からしてずしりと重そうだった。

「万年筆?」茜は興味深そうに首を傾げる。「恵也さん、急にこれ、どうして?」

恵也は答えず、万年筆をペン立...

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