第64章

鈴野和夫は水原茜を落とし入れてやろうとした。だが結局、その報いは自分に返ってきて――大勢の前で顔面を剥がされるような屈辱を、身をもって味わうことになった。

今どき、同性愛は少しずつ社会に受け入れられている。鈴野和夫が性的マイノリティだとしても、それ自体は別にどうということじゃない。

ただし、それはあくまで「私生活」の話だ。

それをわざわざ表舞台に引きずり出され、衆目に晒されれば、指を差されるのは避けられない。

世の中に、完全に密閉できる秘密なんてない。

鈴野成俊と早坂流子がいくら口止めに手を回し、十分な「見返り」を積んだところで、噂はあっさり広がった。界隈の人間なら誰もが知っている...

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