第66章

ほどなくして警察が到着し、現場の確認が行われた。

幸い、水原茜も完全に理性を失っていたわけではなかった。手にしたのは粉末消火器で、男はほどなく意識を取り戻し、水原茜とともに警察署へ連れて行かれた。

通報者は水原茜だ。対して男のほうには未遂とはいえ犯罪の疑いがある。署に着くなりそのまま留置室へ入れられ、水原茜は別室で事情聴取を受けることになった。

調書を取り終えると、水原茜も取調室へ通され、男と面と向かって対面することになった。

男はマスクもキャップも外され、色の抜けた金髪と、やけに整った顔立ちをさらしていた。

「名前は」

警官が問う。

中の男は、閉じ込められているくせに態度だけ...

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