第8章

朝早く、水原茜はけたたましい着信音に叩き起こされた。まだ意識はぼんやりしたまま。だが手は無意識にノートPCへ伸び、指先で図案をスクロールしている。

「水原さん、大変です、まずいことになりました!」

受話口の向こうは今にも泣き出しそうな声だった。焦りきって、息まで上ずっている。

水原茜は瞼すら持ち上げず、図面から目を離さない。

「落ち着いて。空が落ちてくるわけじゃないんだから。順番に話して」

「うちのアトリエが晒されてます! 今、トレンドがうちを叩く投稿で埋まってて……!」

「粗悪な生地を高級品だって偽ってるとか、お客様が肌荒れしたとか、好き放題に書かれてます!」

「それだけじゃ...

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