第9章

5分もしないうちに、スマホがピロンと鳴った。

送られてきたのは、住所。

森田浩介は車のキーをひったくるように掴み、冷え切った顔のままオフィスを出る。

水原茜が、自分の目の前でもまだあれだけ強がっていられるのか――見てやろうじゃないか。

30分後、車はアトリエの入るビルの前に滑り込んだ。

森田浩介はドアを乱暴に開けて降り、陰った顔のまま中へ入っていく。

受付の若い女性スタッフは入ってまだ日が浅い。だが、この御曹司の顔を知らない者などいない。

剣呑な気配に慌てて立ち上がり、行く手を遮った。

「お客様、ご予約は――? オーナーはただいま来客を――」

「どけ」

森田浩介は一瞥すら...

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