第5章
ロンドン・ヒースロー空港。プライベート出発ラウンジ。
私たちの母親同士は、熱烈なハグを交わして別れを惜しんでいる。彼女たちの弾むような声がこちらまで響いてきた――私とアレクサンダーが付き合っていると知ってからというもの、彼女たちは完全にタガが外れてしまったようだ。
「イザベラがインターンシップを終えたら、婚約パーティーの準備を始める絶好のタイミングね……」
「ええ、ええ、もちろんよ! もうデザイナーにはドレスのコンセプト画に取り掛からせているわ……」
私はそっと視線を逸らし、隣にいるアレクサンダーに目を向けた。
彼も偶然、私を見ていた。
私たちは呆れたように視線を交わし...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
縮小
拡大
