第14章 分別のないやつ

今日、周防明は兄弟たちを自分のクラブに呼び、久しぶりに集まって飲むことにした。

店内は熱気で満ち、低音の効いた音楽と笑い声が絡み合って、空気そのものがざわついている。

一通りの用事を片づけた周防明は、合流の個室へ向かおうとした。

廊下を曲がった、そのとき。

数人の男が、やけに慌ただしい様子で一人の少女を抱えるようにして連れていき、別の個室へ押し込むのが見えた。

横顔が一瞬、照明の切れ目に浮かぶ。

——息が止まった。

立花一夜の「高嶺の花」に、驚くほどよく似ていた。

胸の奥に引っかかりを残したまま、周防明は約束の個室へ入る。

扉を開けた瞬間、空気が変わった。

ソファに立花一...

ログインして続きを読む