第59章 無事に過ごせますように

「やってみるのはできますけど……」目黒千音は少し考え込む。

「最初にお約束したのは主題歌だけでしたよね。そこにもう一曲追加となると、少し時間が必要かもしれません」

監督の要求が急なら、曲のクオリティも落としかねない。だから前提だけは、先にきちんと伝えておく。

「時間なんて些細な問題だよ。まだ撮影も終わってないしね」監督は顔をほころばせた。

「分かりました。山のほうにもうしばらく滞在して、インスピレーションを探したいです」千音はうなずいて引き受ける。

オープニングはもう書き上げた。エンディングだって、きっと形にできる。

「いいね、全部小さなことだ」監督は大喜びで、慌てて手配を始めた...

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