第106章

ニコル

お互いへの愛を確かめ合い、ニコラスは私を許してくれると言ってくれて、人生で最高のセックスをしたばかりだった。あまりに良すぎて、思わず泣いてしまったほど。だって、それはただのセックスじゃなくて、愛を交わす行為だったから。そんなときに、あの女、カレンから電話がかかってきたのだ。また自分の中に壁を作っていくのがわかった。そんなことしちゃいけないってわかってるのに。でも、なんでこんな夜更けに彼に電話してくるの? 本気でありえない。ニコラスはスマホをバイブにして、電話には出なかった。「電話、出ていいのよ、ニコラス」「君がどうして俺から離れようとしてるのか、話してくれるまで出ない」私はバスルーム...

ログインして続きを読む