チャプター 11

ニコル

バレエ教室はいつも通り順調だった。普段は他の親たちとおしゃべりしながら座っているだけなのだが、今日という日は、ニコラスのこと、そして彼が次に何をしてくるのかを考えると、頭が猛烈な勢いで回転していた。心配でたまらなかった。だって、彼は世界中の富を手にするほどの男なのだ。私の人生を生き地獄に変えることだって、彼にはたやすい。

ふと、バレエの先生がニッキーに教えていることで、目に留まったことがあった。そのやり方は違う。でも、妊娠したときに、こちらの自分は捨てたのだ。中に入って口出しなんてできないし、すべきでもない。だから、そのままにしておいた。彼女が先生で、私はただの夢破れたダンサーのな...

ログインして続きを読む