第128章

ニコラス

今夜は望んでいた方向とは違う方へ進んでいる。楽しいお祝いにしたかったのに、今じゃ弁護士や友人たちの話なんかして。友人たちは一時期、彼女を金目当てだと思っていたが、彼女が俺にしてくれたことを聞いて考えを変えた。まだ心配なのはルーサーだけだ。「なあ、あいつらの話はやめよう。俺たちのことを祝いたいんだ、雰囲気を悪くしたくない。それに、友人たちだってもう君を金目当てだなんて思ってないさ。君が俺にしてくれたことを知ってからはな」「そのメモ、あなたの弁護士にも渡してくれる?」「あいつのことは俺が何とかする。心配するな」

料理が運ばれてくると、ニコルの顔に再び笑みが浮かぶのが見えた。彼女は牡蠣...

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