チャプター 148

ニコル

ニコラスの顔に浮かんだ困惑が見て取れた。彼の頭の中に疑問が次々と湧き上がっているのもわかったけれど、ただ数分待ってもらう必要があった。私はもう一度キャロルに礼を言うと、ニコラスの手を取ってシェルターを出た。キャロルが一緒に歩いている間、ニコラスは全ての疑問を胸の内にしまっていた。SUVに着くとジェフリーが私のためにドアを開けてくれた。私は横にずれて、隣にニコラスが座るスペースを作る。ドアが閉まるやいなや、ニコラスが尋ねてきた。「いったいどうなってるんだ? なぜあの女性は、俺がおまえを傷つけるなんて思ったんだ?」

「男性を疑うのが彼女の仕事なのよ、ニコラス。あなた個人とは何の関係もない...

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