チャプター 16

しまった、本当にうっかり口を滑らせて、彼の居場所を知ってるって言っちゃった。

彼の問いに答える代わりに、私はニッキーの病室へと踵を返した。彼がその情報でどう思おうと勝手だ。私にはもっと心配すべき大事なことがあるのだから。マンノ先生がニッキーの隣に立って、彼女を笑わせながら、これから検査を始めることを伝えていた。ニッキーは検査が始まることに大喜びで、これでやっと何が悪いのか突き止められると興奮していた。ほとんどの日は体調も良いのだが、時々どうにも気分がすぐれない日があり、そして今のように病院に担ぎ込まれることもある。

そう、ニコラスのところへ行って助けを求めることもできたはずだ。でも、そしたら彼...

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