第176章

ニコル

朝食を終え、ニコラスが出かけてから、私は部屋に戻ってコートとハンドバッグを取り、新しい運転手のハーマンを探しに出た。どこを探せばいいのか分からなかったので、イザベラのところへ向かった。「イザベラ、ハーマンはどこにいるかしら?」「お呼びしますよ」「いえいえ、どうすればいいか教えて。自分でやるから」「分かりました。では、9番を押していただければ、彼が出ます」「ありがとう、イザベラ」私は固定電話で9番を押した。するとイザベラの言った通り、ハーマンが出た。「ニコル様、何かご用でしょうか?」「病院へ行きたいの」「承知いたしました。エレベーターでお待ちしております」「分かったわ」私はイザベラに...

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