チャプター 188

ニコラス

「いえ社長、カレンさんがお嬢さんだとは存じませんでした」俺は少し棘のある声で言った。「ほう、これはすべて彼女の発案だったから、君にも話しているものとばかり思っていたが」「彼女の発案、ですか?」「ああ。彼女は取締役会の一員でな、会社用のアプリを欲しがっているんだ。だがそれと同時に、自分がデザインしている服のブランド用のアプリも欲しがっていてね。それで、君たちが恋愛関係にあるから、私から君に話した方がいいと言ってきたんだ。仕事と恋愛は両立がうまくいかないから、とかなんとか」

あのクソアマが。俺が言うことなんか聞きやしないと分かってて、今度は親父をけしかけてきやがった。だが、こっちだって...

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