チャプター 196

ニコラス

カレンの父親の元から帰る道すがら、俺は考えずにはいられなかった。一体全体、何をクソ輸入しているのか、そしてなぜディクソンはあれほど神経質になっていたのか。頭に浮かぶのはドラッグのことばかりだった。それ以外に、あれほどの警備が必要なものがあるだろうか。ディクソンがなぜ、警備員に尾行されていることをあれほど心配するのか。この一件は、どうにも胡散臭いように思えた。彼が俺を追い出してくれたのは、むしろ好都合だった。あそこで何が起きていようと、一切関わり合いたくなかったからだ。しかし、そうなると別の疑問が頭をもたげてくる。なぜ彼らはアプリのために俺を必要としているのか。まさかアプリ経由でドラ...

ログインして続きを読む