チャプター 20

ニコル

これ以上は休みを取れない。もし取ったら無給になるから、予算がもたない。そんな余裕はまったくないのだ。あとは、どうにかしてナニーのお金を工面する方法を見つけないと。

医師が去った後、ニコラスと私は病室に戻った。ニッキーの額に触れると、彼女は目を開けた。「ママ、こんにちは」と言おうとしたようだが、ろれつが回らず、すぐにニコラスを探した。「まだ、ここにいたのね……」彼女は舌足らずに言った。

「言っただろ、いい子だ。どこにも行かないって」

「眠っていいのよ、エンジェル。私たち、まだここにいるから」

「わかった……」そう言って、彼女はまた意識を失うように眠りに落ちた。

「ニコル?」ニコラスが言...

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