第二十三章

ニコラス

月曜と火曜はあっという間に過ぎ去った。新規契約やら新設部署の件やらで、仕事がめちゃくちゃに忙しかったからだ。だが幸いにも、ニコルにプロポーズするための計画を練り上げる時間は確保できた。彼女のためにカスタムメイドさせた指輪をその指にはめるのが待ちきれないが、今はまだ待たなければならない。まずはニッキーの番だ。ニッキーの誕生日、つまりバレンタインデーに婚約なんてことになったら、素敵ではあるけれどベタすぎるし、何より言った通り、その日はニッキーのための日だった。三月の初めにヘリコプターでの遊覧飛行と、高級レストランでのディナーを企画した。レストラン中の客の前でひざまずき、彼女に結婚を申し...

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