第二十三章

ニコラス

この数日間、俺は自分らしくなかった。ニコルに意地悪をしたわけではないが、優しくもなかった。家の中の空気は重く、ニッキーでさえそれに気づいていた。だが、どうしようもなかった。彼女が自分の命と、お腹の子たちの命を危険に晒したことに腹を立てずにはいられなかったのだ。ニッキーにどうしたのかと聞かれたとき、俺はただ「仕事で問題があってね」とだけ答えた。

金曜日の朝。ニッキーの養子縁組の手続きで裁判所へ行くことになっていた。ニコルはニッキーに父娘ダンスのときの服を着せるのを手伝い、自身は俺がとても気に入っている緑のニットドレスに着替えた。二人がニッキーの部屋から出てきたとき、俺は二人を褒めず...

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