チャプター 236

ニコラス

翌朝、俺はとても早くに目を覚ました。ニッキーの誕生日を、当の本人より楽しみにしていたのかもしれない。ニコルをこんなに早く起こすのは申し訳なかったが、俺の頭の中にはある光景が浮かんでいた。俺がケーキを運び、隣でニコルがハッピーバースデーを歌いながらニッキーの部屋に入る。そしてニッキーがろうそくの火を吹き消すんだ。「なあ、ハニー」俺は彼女の耳元で優しく囁いた。「んん……」「ハニー、起きないと。ニッキーが起きる前に部屋に行きたいんだろ?」その言葉で、彼女は片目を開けた。「ほんと?まだ眠いんだけど」「分かってる。でも、どうしてもケーキと歌で起こしてあげたいんだ」俺がそう言うと、ニコルはベッ...

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