第247章

ニコラ

俺はひどく緊張していたし、ニコルもそれを感じ取っているのは明らかだったが、俺はそれを隠そうと努めた。心の奥底では、彼女がイエスと言ってくれるとわかっていたが、それでもやはり緊張は解けなかった。俺たちが「テラス・アンド・アウトドア・ガーデンズ」の前に車を停めると、ニコルはバッグを掴み、指で髪を梳かして再び整え、口紅を塗り直した。俺がキスで全部落としてしまったからだ。それから彼女はバッグからウェットティッシュを取り出し、俺の口元を拭ってくれた。「もう、あなたったら」「だって、口に口紅をつけたまま入るわけにはいかないだろう。すごく高級なレストランだって聞いたんだ」「あら、そうなの?」「ああ...

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