第248章

信じられなかった。ニコラスが、私の目の前で片膝をついて……私にプロポーズしていたなんて。

もっと時間がかかると思ってたのに。「もちろんイエスよ!」って、心の底から叫びたかった。でも、なぜか、がっついているようには見られたくなくて。

彼はまだ、答えを求めるように私を見つめている。私はまだ返事をしていない。ありったけの気持ちをぶちまけるか、それとも淑女らしく「はい」とだけ言うべきか、迷っていた。結局、私はありのままの気持ちを伝えることにした。

「イエス! ああ、もう、ニコラス、イエスよ! イエス、イエス、イエス! 百万回だってイエスよ!」

彼は立ち上がると、私を腕の中に抱きしめた。周りにいた数人の...

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