第二十六章

ニコラ

「まあ、面白かったわね」ニコルが言った。「あなたがこれを『とうとう来たか』って思ってないだけで嬉しいわ」「いや、あいつらがいつか問題になるのは分かってたし、もうお前とカレンのことは心配してない」「それを聞けて良かったわ。だって明日、彼女が私のオフィスに乗り込んでくるもの」「じゃあ俺はシェルターに行って、オフィスには行かないことにする。またあの顔を見る気分じゃない」俺はまた胸を押さえる。「ひどいな、女の人ってやつは。これで俺は彼女と二人きりでいなきゃならないじゃないか」「ジェイソンがいるでしょ。彼が助けてくれるわ」「ここだけの話、あいつは彼女のこと怖がってると思うぜ」「私だってそうなる...

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