チャプター 282

エピローグ

ニコラス

五ヶ月後

俺たちは病院にいた。俺たちの小さな坊やが、いよいよ生まれようとしていた。ニコルの破水から三時間ほど経っていたが、坊やはまだ出てこない。これまでのところ、ニコルは俺に叫び、壊れるかと思うほど強く手を握りしめ、角氷をかじったりしたが、何も起こらなかった。

突然、ニコルが俺を見た。「先生を呼んで!」

「どうして?」すべて順調だと思っていた俺は、混乱して聞き返した。

「出血してるの」

俺は部屋を飛び出して叫んだ。「先生! 先生、お願いします! ニコルが危ないんです!」赤ん坊のことなんて考えもしなかった。俺はニコルのことが心配でたまらなかった。

医者が部屋に...

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