第五十四章

ニコル

ニッキーがベッドに入り、ニコラスと私がおやすみを言った後、私たちはリビングルームに戻った。「うまくいった……と思う?」とニコラスが言った。「あの子が逃げ出そうとした一件は除いて、でしょ?」。「ああ、そこは除いてな」。ニコラスがいなかったら、あの子はあんなにうまく受け入れられなかっただろう。私は何と言えばいいのかわからなかった。「あなた、あの子の扱いが上手ね」。「正直、自分が何をしているのかさっぱりわからないんだ、ニコル」。「心配しないで。私もたいていの日は、自分が何をしているのかわからずにいるわ」。「自分でコントロールできない感覚は好きじゃない」。「わかるわ、ニコラス。でも、それに慣...

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