チャプター 78

ニコル

アパートを出て、外で何が待ち受けていようと立ち向かう覚悟はできていた。ジェフリーに大学まで送ってもらうのは申し訳なくて、地下鉄で行くつもりだった。エレベーターがペントハウスに到着すると、ジェフリーが降りてきた。「それで、どちらへ?」まるでこっそり抜け出そうとした子供を捕まえたような口調で、彼は尋ねた。「大学へ行こうと思って」「私抜きで?」「ジェフリーに迷惑をかけたくなかったの」「外にはパパラッチが大勢います、ニコル。私がお送りした方が安全です」「わかったわ。ただ、迷惑をかけたくなかっただけ」「これも仕事ですから、ニコル。仕事はさせてください」

エレベーターで下へ降りながら、私は彼に...

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