第5章

 朝の六時、警察のパトカーが高橋家の前に停車した。通りは静まり返っており、早朝の光の中で数羽の鳥が鳴く声だけが響いていた。

 涼は助手席に座り、マニラ麻のファイルケースを握りしめていた。中に入っているのは、署の保管庫から出してきたばかりの、過去五年間にわたる高橋家のクレジットカード明細書だ。徹夜明けの彼の目は血走り、遺体安置所を出てから一睡もしていなかった。

 松本はエンジンを切ったが、車から降りようとはしなかった。煙草に火をつけ、深く吸い込み、整った雨戸と手入れの行き届いた芝生のある白いヴィクトリア調の家を見つめた。

「準備はいいか?」と、煙を吐き出しながら松本が尋ねた。

 涼の脳...

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