第8章 試練

 半年後、桜木町地方裁判所。

 涼は傍聴席の最前列に座り、健一と静子が法廷に引き出されるのを見つめていた。二人はきちんとしたフォーマルな服装で、静子に至っては薄化粧までしており、まるで授業参観にでも出席するかのようだった。だが、彼らが傍聴席の前を通り過ぎる際、涼はその目に宿るものを見逃さなかった。それは後悔でも恐怖でもなく、傷つけられたことへの憤り――まるで自分たちこそが不当な扱いを受けた被害者であるかのような目つきだった。

 木槌が打ち下ろされた。

 検察官は冷徹なまでの正確さで事件の全容を並べ立てた。体重わずか三十キロ。胃の中から検出されたソファのウレタンフォームと排泄物。爪の間に...

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