第5章

大阪を離れることを決めた。

出発する前夜、私は星野凛を飲みに誘った。

「朝霧蓮とは順調みたいじゃない」

星野凛の瞳がからかうような光を宿す。

「付き合うことにしたの?」

私は首を横に振り、彼女に私たち二人の間の出来事を語った。話し終えると、そっとお酒を一口飲む。

「恋愛もしたくないし、結婚もしたくない。今は『GLOW』の仕事に集中したいだけ」

星野凛はグラスを置き、その眼差しが鋭くなる。

「どうして皆川霜介の過ちで、自分を罰するの?」

私ははっとし、グラスの中の液体に視線を落とした。

「あなたは皆川霜介のせいで朝霧蓮に偏見を抱いてる。それは不公平よ」

星野...

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