第6章

 ソフィーが契約に向かってから、もう三時間が経つ。

 私はベランダの椅子に腰掛け、スマホをじっと見つめていた。契約なんてとっくに終わっているはずだ。彼女なら、無事を知らせるメッセージを送ってきてもいい頃なのに。

 だが、スマホの画面は真っ暗なままだ。

 不吉な予感が、まるで黒雲のように頭上へとのしかかってくる。

 私は彼女の番号を呼び出した。長い呼び出し音が続く。

「ジョアンナ……」

 ようやく聞こえたソフィーの声は、明らかな緊張と恐怖に震えていた。

「ソフィー? どうしたの?」

 数秒の沈黙。やがて紡がれた言葉は、一語一語がハンマーのように私の心臓を打ち据えた。

「ロレン...

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