チャプター 10

ハンナ

血の跡をたどった。体は勝手に動いているのに、頭の中では逃げろと悲鳴を上げている。深紅の道筋は角を回り、そこにはダイニングスペースらしき場所があった。

床に三つの身体が投げ出されていた。高そうなスーツ姿の男が二人、カクテルドレスの女が一人。全員、紛れもなく死んでいる。人体の大事な部分が本来なら無傷であるべき場所に、銃弾の穴が穿たれていた。

嗚咽が漏れた。胸の奥でせり上がってくる叫びを押し殺すように、慌てて口を手で覆う。

ドアが開く音がして、私は弾かれたように振り向いた。レオナルドが、主寝室だと勝手に思い込んでいた部屋から出てくる。青いシャツには赤い飛沫が散り、両手は血にまみれてい...

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