第143章

 アシュフォード医師が部屋を出ていくと、私はリクライニングチェアに深く身を沈め、自分でも気づかないうちに詰めていた息をふうっと吐き出した。成功率九〇パーセント。十分に高い確率、そう思うべきなのだろう。けれど、残りの一〇パーセントは? 私の頭はたちまち最悪の可能性へと滑り落ちていった。

「有能そうな先生だったわね」エマが言い、ぐるぐると不安に飲み込まれかけていた私の思考を遮った。「いかにもお医者さまって感じ」

 私は鼻で笑った。「お医者さまって感じ? それ、専門用語なの?」

「言いたいことはわかるでしょ」エマは手をひらひらと振って、たいしたことじゃないというように言った。「自信たっぷりで、...

ログインして続きを読む