第152章

ハンナ

看護師が点滴の滴下を調整すると、母のまぶたがゆっくりと閉じていった。薬がまた眠気を誘っているのだろう。きっと、そのほうがよかった。治るためには、体を休ませる必要がある。

「明日の朝、また来るからね」

もう眠っているのに、私はそっとそう囁いた。肩のあたりまで毛布をやさしく掛け直し、荷物をまとめる。

個室の病室は、絶え間ない電子音と話し声に満ちていた集中治療室とは比べものにならないほど、不気味なくらい静かだった。私はもう一度だけ室内を見回し、母の手の届くところに水があるか、ナースコールのボタンが押しやすい位置にあるかを確かめてから、そっと外へ出た。

廊下に出ると、今夜は家に帰ると...

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