第二十五章

ハンナ

私は姿見の前に立ち、ドレスの前身ごろをなでつけた。深いエメラルド色の生地は、身体の曲線をちょうどいい具合に拾い、膝の少し上まで優雅に流れ落ちている。胸元はほどよく深く開いていて、人を惹きつけるには十分でも、誕生日のお祝いの席にふさわしさを欠くほどではなかった。

鏡の中の自分は、ほんの数か月前までどうにか日々をやりくりしていたあの子とは、ほとんど別人に見えた。デザイナーズドレス。肩のまわりにやわらかな波を描いて落ちる、プロの手で整えられた髪。顔立ちを隠すのではなく、引き立てるためのメイク。

私はベッドの上からクラッチバッグを取り上げ、最後にもう一度だけスマートフォンを確認した。今夜...

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