チャプター 21

 ハンナ

 母が建物を出ることを、あんなにも嬉しそうにしている姿を見たのは初めてだった。シダーズ=サイナイの自動ドアをくぐるあいだ、私の腕に母の腕が絡み、支えを求める力が伝わってくる。母はほとんど発光しているみたいに見えた。

「外の空気ね」そう言って母は目を閉じ、大きく息を吸い込んだ。「ただ……外で息をするってことが、どれほど恋しかったか。あなたには想像もつかないでしょうね」

 私はそっと母の腕を握りしめた。「これを癖にしないでよ? 少なくとも次の五十年は、もう入院なし」

「できる限りね」

 アシュフォード先生は退院の指示を、三十分かけて私たちに説明してくれた。六週間は無理をしないこ...

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