チャプター 23

ハンナ

私は携帯を取り出し、彼の連絡先をじっと見つめた。指は通話ボタンの上で数秒間ためらったまま止まり、ようやく押し込んだときには、心臓が激しく打っていた。呼び出し音が鳴る。

「おやおやおや」

三回コールしたあと、ヴィンセントのしゃがれた声が受話口から流れてきた。

「これはハンナ・ミッチェルじゃないか。時間をもう少しくれって泣きつく電話か?」

「いいえ。あなたのお金が用意できたって伝えるために電話したの」

声が震えないよう必死に抑えながら、私は言った。

向こうで間が空く。

「全部か?」

「ええ。全部で一万五千。今日中に口座へ振り込んでもいいわ。銀行口座を教えて」

ヴィンセン...

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