チャプター 77

ハンナ

母は大げさにため息をついた。「このままじゃ、いい人はみんな先に取られちゃって、最後には離婚歴があって子どもが三人いて住宅ローンまで抱えてる男の人と付き合うしかなくなるわよ」

「それって、そんなにひどいこと?」私は眉を上げて聞いた。

「いいえ、でも……」母はふきんを置き、私のほうへまっすぐ向き直った。「ハンナ、よく聞いて。私はあなたに、ちゃんと満ち足りた人生を送ってほしいの。仕事が大事なのはわかってるし、あんなに頑張っているあなたを本当に誇りに思ってる。でも、人生は実績を積み上げることだけじゃないのよ」

私は母と目を合わせないまま、食器を洗い続けた。

「もうすぐ大学院も終わるでしょう、...

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