評議会の遺灰

ケイン

その建物はとうに死んでいた。

石壁は内側へたわみ、梁は腐食で裂け、全体が軟骨までしゃぶり尽くされた骸のように、自重で傾いでいる。かつて倉庫の扉だった場所には苔が這い、空気はカビと古い獣の小便の匂いがした。セルジュはささくれた木材に手のひらを滑らせ、顔をしかめる。

「ここは何十年も空き家だったんだな」と彼は呟いた。「評議会の連中が、こそこそと会合を開くのに使っていたに違いない。でなければ、誰もこんな場所を気にも留めんだろう」

コールがかすかににやりと笑い、薄闇の中で歯が白く光った。「俺がもし、山ん中に終末の岩とやらを隠すなら、まさしくこういう場所を選ぶね。物好きな奴が嗅ぎ回る心配もな...

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