日光に当たる傷跡

ネイサン

俺は「ノー」という答えは受け付けない。食べ物のことならもちろん、彼女のこととなれば尚更だ。

「おい、いいだろ」俺はまるで自分の家みたいに堂々とドアフレームに寄りかかり、腕を組んで、自信満々の笑みを浮かべて言った。「一時間だけ。陽の光と、新鮮な空気と、美味い飯。別に悪いことなんて起きやしないさ」

ルサンヌはソファの端に腰掛け、自分を抱きしめるように腕を回していた。まだ顔色が悪すぎたし、痩せすぎてもいたが、その傷跡は癒えつつあった。光が残酷な角度で彼女の顔を照らし、頬を走るピンク色の線を浮かび上がらせる。腕や脚にも、そういう傷跡がいくつかあった。内なる狼が喉を鳴らし、復讐を求めている。...

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