ごめんなさい。

ランドン

かつて父の執務室には、シダーとウィスキーの香りが満ちていた。だが今は、俺の匂いが――怒りと、汗と、あまりにも脆く壊れてしまったすべてのものの匂いが、むわりと立ち込めている。俺がめちゃくちゃに引き裂いた本棚は空っぽだ。机には俺の鉤爪でつけられたひびが入っている。この部屋から出て、もう二日、いや三日になるだろうか。どうでもいいことだ。

連中はまたしても俺を裏切った。山に送り込んだ狼は、一匹残らず。死んだか、行方不明か、あるいはそれ以下か。ケインの結界は破られていない。あのろくでなしは、彼女をその向こうに閉じ込めておけると思っている。まるで彼女がそこにいるべき存在であるかのように。

俺は...

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