ワン・ウィッシュ
アメリア
ごつごつした簡易ベッドでのうたた寝から目を覚ます。まだこんな場所にいるのだから、目覚めれば恐怖に襲われると思っていたのに、意外にもその感覚はなかった。物事は結局、捉え方や考え方次第なのかもしれない。もし彼らが私をここに閉じ込め続けるのなら、掃除も、草むしりも、芝刈りも、実質何もしなくていいわけだから、それはそれでいいことだ。あるいは、今回ばかりはここに一人きりではないからかもしれない。身を起こすと、例のシフターがまだ独房の影の中にいるのが見えた。
「生きていたか。あまりに熟睡しているから、お前のその小さな心臓が止まってしまったんじゃないかと心配し始めていたところだ」と彼が言うので、私は思わず呆れてしまった。
「あなただって、ろくに眠れない生活を送っていれば、地下牢でもぐっすり眠れるわよ」と教えてやると、彼は何も言わなかった。
「さっき、オートミールみたいなどろどろの飯が運ばれてきた。お前の分も取っておいてやったぞ」彼はそう言って、足で檻の格子の方へと器を押しやり、私を驚かせた。
「仕事が全部終わるまで、食事は許されていないの」と私は告げる。
「ここには、それを見つけるような奴は誰もいないと思うがな」彼の言う通りだ。私たちは二人きり。でも、今まで何度も、何かをごまかせると思っては、結局ひどい罰を受ける羽目になってきた。危険な賭けはしたくない。それに、明日はアルファがいらっしゃるのだから、どこかの時点できっとここから出してもらえるはずだ。
「あなたが持っていて。彼らがあなたに何を企んでいるにせよ、体力を温存しておかないと。私はそのうち出してもらえるわ。誰かが彼らの奴隷にならなきゃいけないし、明日はアルファが来るから、やらなきゃいけないクソみたいな仕事が山ほどあるんだから」
彼は器をそこから動かさず、置いたままにしている。「もしここから出られるとしたら、お前は出ていくか?」と彼が尋ねる。
「二つ返事よ」考えるまでもなく、そう答える。私の立場なら、誰だってそうするだろう。彼はしばらく黙っていたが、やがて尋ねてきた。
「もし願いが一つ叶うとしたら、何を願う?」私は考えるより先に答えていた。「目が覚めたら、あの惨めなクソ野郎どもが全員死んでること」
「本気でか? 群れが丸ごと消えても構わないと?」
「普段から群れが一つ残らず消え去ってほしいなんて思うかって? 思わないわ。でも、物心ついた時から毎日毎日、私をゴミのように扱い、殴り、鞭打ち、文字通り私の人生を台無しにしてきた群れなら? ええ。子持ちの女性は助けてもいいかもしれないけど、そんな人はほとんどいない。ここのシフターは皆、見て見ぬふりをしてきたか、私への残虐行為に加担してきたかのどちらかよ。ここに慈悲の入り込む余地なんてない。全員、卑劣なクズだわ」
私は冷たい石の壁に後頭部を預け、目を閉じる。今しがた想像した光景を夢想すると、自然と笑みがこぼれた。影の中にいるシフターが笑う声が聞こえる。きっと、私のこのどす黒い感情を面白がっているのだろう。
「同感だ、小さな戦士さん」私は頭を上げ、彼のいる方へ顔を向けた。
「私は戦士じゃない。正反対よ。弱くて、か細い。望んでそうなったわけじゃないけど、紛れもない事実だわ」
「お前には戦士の魂がある。自由になろうとあがく魂がな。長年の怒りと恨みがそれを育んできた。お前が自分自身に目覚めた時、それはきっと壮観だろうな」彼は静かにそう言い、私はその言葉を吟味した。
「あなたは? あなたの一つだけの願いは何?」と、見知らぬ彼に尋ねてみた。
「ふむ……俺の願いは、お前がここから出ること、自由になること、そしてここにいる奴らにお前が復讐を果たすこと、だな」
「それじゃ一つ以上の願いじゃない。でも、どうして私なんかのために願いを無駄にするの?」
「お前がそれを使えるなら、無駄にはならない。それに、俺には必要ない」
「どうして必要ないの? 地下牢から出たいとは思わないの? 脱出とか」
「俺がここにいるのは、俺がそれを許しているからだ、小さな戦士さん。最高の情報を手に入れるには、時に自ら敵陣の背後に身を置くのが一番だからな」
混乱しながら、私は考える。フェザーマークの群れに敵がいるのは間違いないだろう。大抵どのシフターの群れも、縄張り争いやローグの問題を抱えているものだ。このシフターは、どこかのローグのリーダーなのだろうか? ランドールが他の群れとの問題について話しているのは聞いたことがないけれど、ないとは限らない。それに、他の群れについては伝説めいた話も耳にする。長年語り継がれてきた、戦いにまつわる噂や体験談だ。
「ここの群れのメンバーは何人いるか知っているか?」と彼が訊ねる。
「百人くらい」
「ここの戦士たちはどうだ? 腕は立つのか?」
「戦士はいる。アルファ・ランドールの命令なら、疑問も抱かずに何でもやる冷酷な連中が。でも、この群れのほとんどは、群れの安全や幸福よりも、交易や品物、自分たちが何を着て何を食べるかってことの方にしか関心がないわ」
「他に知っておくべき秘密の地下壕や牢獄はあるか?」
「ないと思う。私が放り込まれるのはここだけだから」
「どれくらいの頻度でここに放り込まれるんだ?」
「気が向いたらいつでも」と答えると、彼が抑えようとしている低い唸り声が聞こえた。
階段の上の扉が開き、光が差し込んでくる。でも、私のウルフの体調が悪いせいで、まだ見知らぬ男の顔は見えない。マイケルが階段を下りて、私の独房に向かってくる。どんな看守だって、彼よりはマシだ。彼はベタベタ触ってくるし、胸が悪くなるほど不快で、小便臭い。ろくに体も洗っていないのだろう。私を平手打ちしたり、そこらに放り投げたりすることに何の躊躇もない男だ。
彼が憎い。そして、怖い。
アルファはそれを知っている。だから私を迎えに彼を寄越したのだろう。急に、このまま永遠にここにいても構わないとさえ思えてきた。私は簡易ベッドの隅に体を押しやり、さらにきつく体を丸める。私の恐怖を嗅ぎ取ったのだろうか、アルファのオーラが強まるのを感じる。それは決してマイケルのものではない。この見知らぬ男はアルファで、その力を抑えているのだ。
賢い。
「おやおや。これはこれは。いたずら好きな雌狼さんがまた牢屋入りかい。今度は何をやらかしたんだ? ん?」私は何も言わない。彼の方を見もしない。
「聞いてんのか」と言いながら、マイケルが独房の鉄格子を力任せに蹴りつけ、私はびくりと体を震わせた。彼はベルトループから鍵束を引き抜き、私の独房の錠を開け始める。隣の独房の見知らぬ男が唸り声を上げ始める。マイケルはそちらを見向きもしない。明らかに、脅威だとは見なしていないのだ。見なすべきなのに。彼がオーラを抑え込む前に、それが高まるのを感じ取った。
「立て。アルファがお前に仕事をしろとさ。明日の客人のためにすべてを塵一つなく綺麗にし、客室を準備して、日暮れまでに仕事を終えさせろ、だとよ」マイケルが私に唸るように言う。
「そんなの無理よ! ここに長くいすぎたわ! そんな量の仕事を時間内に終わらせられるわけない!」声に滲む絶望もあらわに、私は彼に懇願する。
「だったら食うも寝るもなしだな。立て、さっさとやれ!」と彼は怒鳴る。私が立とうとしないのを見て、彼は私の腕を掴み、簡易ベッドから引きずり出した。
「離して!」彼を蹴りつけられるくらい距離を取って身を引くが、彼はさらに強く腕を握り締め、私を独房の鉄格子に叩きつけた。頭を上げると、視界がぐらりと揺れ、自分が地面に倒れていることに気づく。意識が朦朧としていた。
「この馬鹿女が。さて、仕事に行く前に罰を与えなきゃならねえな。……まあ、俺のために何かしてくれるってんなら話は別だが。そうすりゃ、罰はやめてやってもいいぜ」
