ハード・アンド・ファスト

アメリア

「今日、このあと何か予定はあるの?」

ランドンにそう尋ねる。彼に予定があって、その中に私が含まれていることを願いながら。

「今夜は君と過ごすつもりだ。買い物に連れて行きたいんだよ。夜の方が人も少なくて動きやすいし、二人きりの時間も長く取れるからな」

ランドンの提案に、胃のあたりがくすぐったくなるような高揚感を覚える。

「明日は昼間のデートの予定があるのよ。数日でこんなに買い物ばかりなんて」

「君にはそれだけの価値があるんだ。遠慮なんてするな」

食堂を出る時、ランドンが身をかがめて私にキスをする。すれ違いざまにシンシアが私の肩を軽く握った。彼女の優しさが嬉しい。

「あの...

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