痛みしかない

アメリア

川に飛び込んだとき、私は振り返らなかった。誰かに説得されて思い留まるようなことはしたくなかったからだ。これが私の物語の結末だというのなら、それでもいい。むしろ悲劇的な最後としては、これくらいが相応しいのかもしれない。飛び込んだ水は生暖かく、すぐに予想以上の激流だと気づいた。水面に顔を出すと、渦巻く急流に体を翻弄され、私はあえぎながら海水を吐き出した。

岸辺を走る狼たちの叫び声が聞こえる。獣の姿に変身している者もいれば、人の姿のままの者もいるようだ。再び水中に引きずり込まれる。今度は口を閉じるのが精一杯だった。水中は何も見えない。川の中も外と同じように、漆黒の闇に包まれている。

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