同じいまいましい話

アメリア

ベッドに座っている私の目の前には、今まで目にした中で間違いなく一番ハンサムなシフターがいる。彼が何か言葉を発するのを待って見つめていたが、彼はただ静かに私を見返しているだけだった。

「食事にするか?」

彼は優しくそう尋ねると、呆然としていた意識を切り替えるように身じろぎした。

「お腹は空いてないわ。それを聞きたいならね」

漂ってくる匂いは美味しそうだったけれど、身体中が痛みすぎて食事どころではなかった。それに、痛むのは体だけじゃない。

「治すためには食べなきゃ駄目だ。君の狼が弱っている」

椅子に座るこの見知らぬ男の言う通りだ。でも、私の狼を勝手に判断されたことに無性に腹...

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