気が進まない取引

アメリア

「トイレまで歩いてみたいんだけど」

K――その名前が何の略なのか、まだ教えてくれていない――が、私の喉に無理やり流し込もうと何かを料理している最中に、私はそう頼んでみた。嫌な匂いはしないけれど、ただ食欲がまるでない。でも、この巨漢のアルファに聞かれずに用を足したいという欲求はあった。

「支えてやるから、それでどこまで行けるか試してみよう」

Kはコンロからフライパンをどけると、こちらへ向かってきた。彼は慎重に私の背中の下に腕を滑り込ませ、上半身を起こしてくれる。体勢が変わると気持ちがいい。両腕が使えたら、もっと気持ちいいだろうに。

ベッドの縁に一分ほど腰掛けていると、Kが頷...

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