あなたのいばらはどこ?

アメリア

ケインが口に食べ物を突っ込みながら歌った、あのくだらない歌が頭から離れない。人生で、誰かに見つめられて歌を歌ってもらった記憶なんてない。だから私は、彼の要求を受け入れたのだ。

それに、彼の中にある光を消したくないという思いもある。

彼自身は、そんなものはないと言うけれど。

どう見ても、そんなことはない。

彼に、私みたいになってほしくない。

だから、ふりをすることにした。少なくとも、少しは良くなりたいと思っているふりを。

彼のために。

それに、今夜もまた外に出たい。

私はベッドに座って、ケインがバスルームから出てくるのを待っている。彼は道具を取りに行ったと言っていた。...

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