第60話

突然、ベラとアリアが駆け込んできて、私にタックルするように激しく抱きついてきた。そのまま私たちは三人でもつれ合うように地面へ倒れ込む。

「これだよ、これ」

壁に寄りかかりながら、地面に転がる私たち三人を見下ろしてワイアットが言った。

「あんたには一生縁のない世界よ」と私が言うと、

「ぐはっ」

彼は胸を押さえて、大げさに痛がるふりをした。

立ち上がると、私はワイアット、続いてイーサン、トビアスとハグを交わした。さらにケイド、カーター、パーカーとも順に挨拶をする。

「テッサ、紹介したい人がいるんだ。新しい番(つがい)のテイラーだ」トビアスが言った。

「うそ、本当に? 会えてすごく嬉しいわ」私...

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