第83話

テッサ視点

毒素を排出しようと体が修復に努める中、ここ数日、私の意識は浮上と沈殿を繰り返していた。ようやく目が覚め、頭が完全にはっきりした朝、状況をすべて理解するのに数分かかった。家での襲撃、撃たれたこと、毒、そして誘拐されたこと。

自分がいる部屋を見渡した。私たちが連れ込まれた屋敷にしては、ずいぶんと殺風景な部屋だ。ベッドと、向かい側に椅子が一つあるだけ。足首に鋭い痛みを感じて見下ろすと、銀の足枷がはめられ、鎖でベッドに繋がれていた。

私は脚を激しく動かし始めた。ベッドの脚をへし折ろうとしたが、まだそれだけの力が入らない。その時、ドアノブが回る音が聞こえ、私はベッドのヘッドボードの方へ...

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