第106章

『ずいぶん安く言ってくれるじゃねえか』

工藤海が鼻で笑う。

『来て早々、俺の人間をあれだけ引き抜いておいて、しかも中村までブチ込んだ。俺がこの件でどれだけ損したと思ってんだ?』

『その損を埋めさせねえで終わるなら、俺の人生、何のためにあったって話だろ』

瑚夏はスマホの画面を、もう一度林田日菜子に向けた。

林田日菜子は表示された文面を読み上げる。

「……じゃあ、どうしたいの?」

『当然、使い倒す』

瑚夏が眉を上げる。――ここからは、あなたの演技で。

合図を受けて、林田日菜子はわざと甘ったるく、からかうような声音をつくった。

「で? またどんな汚い手、思いついたの?」

『せ...

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