第113章

前に瑚夏は、渡辺明山の株を買い戻して、兄が株主になれるようにすると言っていた。

そのあとで渡辺明山本人から、渡辺家の会社は結城グループに買収されたと聞かされた。

そのときはてっきり、瑚夏が結城グループの名義を借りて株を押さえたのだと思っていた。

けれど、本当に買ったのは結城朔夜だったのだ。

思い返せば、あの時点でもう決めていたのだろう。

この株を、最初の贈り物として自分に渡すことを。

自分と瑚夏に血のつながりはない。

それでもここまで大きなものを差し出してくるのだから、結城朔夜の想いが本気なのは疑いようがなかった。

結城朔夜にとっては、資産のうちのほんの一部にすぎないのかもし...

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